ADCCアジア・オセアニア予選 各階級注目選手

ADCCアジア・オセアニア予選 各階級注目選手

アイザック・ミシェル、ジョゼフ・チェンは階級を変更

記事情報

場所:Bangkok

2025年12月7日にタイ・バンコクにて2026年に開催されるADCC世界選手権に向けたアジア・オセアニア予選が開催される。

日本、中国、オーストラリアをはじめとするアジア・オセアニア地区の選手は世界選手権に出場するためにはこの予選で優勝する必要がある。

今回の第一予選では男性プロフェッショナルのみが世界選手権出場の対象となり、女性は2026年にオーストラリア・ゴールドコーストで開催される第二予選のみが対象となる。

これまで開催されたヨーロッパ、アメリカ東海岸予選で見られた世代交代の波がアジア・オセアニアでも巻き起こるのか、それとも実績のある選手が順当に勝ち上がるのか。注目選手の中には階級を変更して臨んでいる選手も多く、組み合わせからも目が離せない。

この記事では主にこれまでの実績・知名度をもとに各階級の注目選手を挙げていく。

開催概要

開催日:12月7日

開催地:バンコク

配信:Flo Grappling

各階級の注目選手

男性プロフェッショナル66キロ級

注目選手

  • ディビッド・ストイレスク(David Stoilescu / Sydney West Martial Arts)
  • 為房虎太郎(カルペディエム)
  • ベクザット・カパショフ(Вekzat Kapashov / ADCC KHAZAKHSTAN NATIONAL TEAM)

見どころ

2024年大会ではイーサン・トーマス(Ethan Thomas)とシュウ・ホワイチン(Xu Huaiqing)が優勝。イーサンは今大会は欠場、シュウは77キロ級でエントリーしている。

優勝の最有力候補は2024年大会の予選で2回とも3位入賞を果たしているディビッド・ストイレスク。今年はSubversionでガブリエル・ソウザと対戦(判定で敗戦)、ヨーロピアンノーギにも参加するなど精力的に活動している。

対抗は前回シュウにあと一歩のところで及ばす敗退した為房、カザフスタン勢の中でも爆発力に秀でワールドノーギ紫帯での準優勝経験のあるベクザット・カパショフらが挙げられる。

男性プロフェッショナル77キロ級

注目選手

  • アイザック・ミシェル(Izaak Michell / Kingsway Jiu Jitsu)
  • 岩本健汰(ロータス世田谷)
  • シュウ・ホワイチン(Frota Academy)
  • ヒュー・ボイド(Hugh Boyd / Absolute MMA)
  • アクセル・ホウィー(Axyl Howie / Sydney West Martial Arts)
  • アリエル・タバク(Ariel Tabak / Kumite Jiujitsu)

見どころ

おそらく最もタレントが充実した階級で、参加者も一番多い77キロ級。2024年大会では岩本健汰とリーバイ・ジョーンズ・レアリー(Levi Jones Leary)が優勝。リーバイは今大会は欠場。

最注目はこれまでの88キロ級から階級を落として参加しているアイザック・ミシェル。88キロでも世界的な実績をすでに挙げているアイザックがどのような意図で階級を落としたのかは定かではないが、計量をクリアすれば一気に優勝候補となる。

対するはこれまでに同階級で3度の優勝を誇る岩本健汰。本人も調子がいいとXに投稿をしており、組み合わせ次第ではあるものの決勝でのアイザックとの対戦が期待される。

本命となる2人以外にも多くのタレントが揃っている同階級。シドニーウェストおよびアブソリュートMMAの若手選手2名を注目選手に挙げたが、両ジムからは他にも複数名がエントリーしており、強豪揃いとなっている。他にも、66キロ級で前回優勝しているシュウ・ホワイチンや実績のあるアリエル・タバクらが階級を変更してエントリーしており、誰が勝ち上がってもおかしくない激戦必至の様相を呈している。

男性プロフェッショナル88キロ級

注目選手

  • ジョゼフ・チェン(Jozef Chen / B Team Jiujitsu)
  • ジェームズ・ワトソン(James Watson / 10th Planet Jiujitsu Australia)
  • 大嶋聡承(寿柔術)

見どころ

2024年大会ではアイザック・ミシェルとルーカス・カナード(Lucas Kanard)が優勝。アイザックは77キロ級に出場、ルーカスは今大会は欠場。

これまでの77キロ級から階級を上げて参戦するジョゼフ・チェンが優勝の最有力候補に挙げられる。

ジェームズ・ワトソンは国際的には無名ながら、オーストラリアで開催されたStreet X主催の賞金トーナメントでニコ・マグリチッチ(Nico Maglicic)やカヤ・ルドルフ(Kaya Rudolph)らオーストラリアのトップクラスの強豪を相次いで撃破し一気に名を挙げた選手。

日本からエントリーしている大嶋聡承は前回から国際戦を多く経験。組み合わせ次第にはなるが、ジョゼフとの対戦が期待される。

男性プロフェッショナル99キロ級

注目選手

  • ダニエル・シュワルツ(Daniel Schuardt / Precision MMA)
  • ニコ・マグリチッチ(Nicholas Maglicic / Atos Jiujitsu)
  • アリビ・オラズベック(Alibi Orazbek / ADCC Kazakhstan National Team)
  • ハリソン・エヴェレット(Harrison Everett / Sydney Wrestling Academy)

見どころ

2024年大会の優勝者はデクラン・ムーディ(Declan Moody)とダニエル・シュワルツ。デクランはすでにヨーロッパ予選を優勝し本戦出場を決めている。

本命は前回優勝者でもあるダニエル・シュワルツ。足関節技を中心に強固なガードからの攻めを持っており、レスリング中心になりがちなヘビー級の中では異彩をはなつテクニシャンである。

対抗はニコ・マグリチッチ。99キロ超級を連覇しているジョシュ・サンダースにSubversionのタイトルマッチで勝利をしており、足関節技に対応できれば優勝できる可能性は十分にある。カザフスタン勢からはAIGAやCJIトライアルなどにも出場していたアリビ・オラズベックに注目。Battlegroundで大嶋聡承と対戦経験のあるハリソン・エヴェレットにも注目。

男性プロフェッショナル99キロ超級

注目選手

  • ティト・ジャンカルロ(Tito john Carle / Grappling Education)
  • マンスール・マクマカノフ(Mansur Makhmakhanov / AOGG Jiujitsu)

見どころ

2024年の優勝者はジョシュ・ソーンダース(Josh Saunders)とマンスール・マクマカノフ。ジョシュは今大会は欠場。

本命は前回優勝者であるマンスールか。ジョシュと何度も名試合を繰り広げているティトを初め、人数の少ない階級であるため誰が勝ち上がってもおかしくない。

女性プロフェッショナル55キロ級

注目選手

  • 池田海南江(IGLOO)

見どころ

今大会では世界大会への出場権が得られないこともあって選手のエントリー数も控えめ。前回2024年大会ではアデル・フォルナリーノ(Adele Fornarino)が優勝、そのまま本戦でもダブルゴールドを獲得している。

そのアデルに敗戦した池田は怪我からの回復状況が心配されるが、優勝が期待される。

女性プロフェッショナル65キロ級

注目選手

  • メインズ・リチャードソン・グラウ(Mainz Richardson-Grau / Oasis Fight Academy)
  • 福田万智(寿柔術)
  • ワン・ジュー(Wang Jue / Frota Academy)

見どころ

2024年の優勝者はスーラ・メイ・ローウェンサール(Sula-Mae Loewenthal)。メインズは昨年のノーギワールド茶帯でメダルを獲得しており、参加者の中では一番の実績を持つ。ワンは2024年の第一次予選で優勝(世界選手権出場権はかかっていない)。RIZINなどへも出場している福田の活躍も期待される。

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