
米倉大貴 vs ベイビーシャーク/ラクラン・ジャイルス vs マルセロ・ガルシア
12月6日開催 ONE CHAMPIONSHIP
記事情報
12月6日に開催されるOne Championship。MMAとムエタイを中心とする団体ではあるが、今大会ではADCC2連覇を達成しているベイビーシャークことジオゴ・ヘイス(Diogo Reis)に米倉大貴が挑戦する試合、そして2025年2月にガンの闘病から競技復帰し今成正和を破った伝説的なグラップラーであるマルセロ・ガルシア(Marcelo Garcia)にラクラン・ジャイルス(Lachlan Giles)が挑む試合と注目のグラップリングの試合が2試合組まれている。本稿では両試合の見どころなどをお伝えする。
開催概要
開催日:12月6日(日本時間午前11時より)
開催地:バンコク・ルンピニースタジアム
配信:U-Nextにて配信予定
米倉大貴 vs ジオゴ・ヘイス
米倉とベイビーシャークの試合は本大会のコメインイベントにリストアップされている。
AIGAをはじめとする国際的な舞台で活躍を続ける日本を代表するグラップラーである米倉大貴が、ADCC2連覇を果たしている軽量級最強グラップラーであるベイビーシャークことジオゴ・ヘイスに挑む。
ジオゴ・ヘイスがどのような選手であるかは別記事およびポッドキャストにて詳しく紹介している。
https://grapplersnews.jp/ja/article/who-is-baby-shark
見どころ1:下から形を作れるか
試合はおそらく米倉が下をとりベイビーシャークが上から攻めることが予想される。過去の試合を見ると、例えば石黒翔也との試合では強引にパスを繰り返すベイビーシャークに対して石黒は対応はできていたものの攻める形を作ることができなかった。
勝つためには攻めることが必要になるので、上から圧力をかけるベイビーシャークに対して米倉がどのように形を作っていくのかが注目される。逆に形を作ることができればサブミッションのキャッチが重視されるOneのルールの元で有利に試合を運ぶことができる可能性が上がる。
見どころ2:ベイビーシャークのコンディションは?
前回の石黒との試合では計量に失敗し、試合がキャッチウェイトに変更になったベイビーシャーク。今回の試合はチャンピオンシップであるため、計量失敗は許されない。
2021年ごろまでは62kg以下での試合も行っていたものの、近年は64〜70kgが主戦場となっている。23歳を迎え身体もまだ成長している可能性もあり、減量・体重調整が以前のようにはいかないことも想定される。
ベイビーシャークが無事計量をクリアできるか、できたとするとどのようなコンディションで当日を迎えるかが注目される。
マルセロ・ガルシア vs ラクラン・ジャイルス
タイトルマッチに加え、もう一試合組まれているグラップリングマッチがマルセロ・ガルシアとラクラン・ジャイルスの一戦。
マルセロ・ガルシアはグラップリングでは2003, 05, 07, 11年のADCC 77キロ級で優勝。ブラジリアン柔術でも2004, 06, 09, 10, 11年のワールド(ムンジアル)で優勝するなど名実ともに一時代を気づいたグラップラーである。バタフライガードからの爆発的なレッスルアップやXガード、マルセロチンとも呼ばれるハイリストギロチンなどのテクニックを開発した選手としても知られ、現代でもファンを公言するグラップラーが多くいる。2023年にガンを告白、闘病を続けていたが、2025年にONE CHAMPIONSHIPで今成正和と対戦、競技復帰している。
その伝説的な選手に挑むのはラクラン・ジャイルス。2019年のADCC無差別級で銅メダルを獲得した実績で特に知られる選手で、足関節技、特にKガードからのバックサイド50/50などのテクニックを世に知らしめた存在として知られる。2022年のADCCを最後に競技の一戦からは退いていたが、今回マルセロ・ガルシアと対戦するために復帰を宣言した。
見どころ:マルセロはラクランの足関節技に対応できるのか?
年齢的にはマルセロが43歳、ラクランが39歳と大きな隔たりがあるわけではないものの、活躍していた年代は00年代〜10年代前半のマルセロ、10年代後半〜のラクランと一世代違いがある。ラクランはジョン・ダナハーの一派が足関節技を大きく広めた後の選手であり、また自身もイノベーティブなオリジナルのテクニックを多く編み出している。
今成戦ではレスリング、トップからのプレッシャーで足関節の攻防を拒絶することに成功したマルセロだが、ラクランは体格的にも同階級であるため、プレッシャーで圧倒することは難しいことが想定される。いざ足関節の攻防になった際にマルセロはどこまで対応ができるのかが注目される。



