社会人柔術家の皆さん、今年は何試合に出ましたか?
秋は大会ラッシュの季節です。
年末に向けても、12月4〜6日のIBJJFマスター国際柔術選手権(アジア)、12月13日のJBJJF全日本ノーギ柔術選手権、12月下旬のASJJF東京国際冬季柔術選手権など、カレンダーは試合でぎっしりです。
そんな中、Xで目に留まったのが、あるマスター黒帯選手の投稿でした。
マスター30で2大会、マスター36で6大会、プロ柔術2大会を合わせて、今年は10大会に出場する事になると書いていました。
正直、私は最初に「えっ、10大会!?」と声が出ました。
仕事をしながら、ほぼ月1ペースで試合。
すごい、と思うと同時に、それって多いの?普通なの?という疑問も湧いてきたのです。
そこで今回は、社会人柔術家にとって年間何試合がちょうどいいのか、そしてシーズン終盤のいま、来年の試合スケジュールをどう組めばいいのかについて書いてみようと思います。
多い・少ないは目的で決まる
結論から言ってしまうと、年間何試合が正解か、という問いに明確な答えはありません。
同じ10大会でも、目的によって、ちょうどいいにも多すぎるにもなるからです。
まずは、あなたが試合に出る目的を整理してみましょう。
1. 経験を積みたい人は回数に意味がある
試合は、練習では絶対に味わえない緊張感の中で、自分の柔術がどこまで通用するかを確かめられる場所です。
私はいつも勝敗より経験だと思っています。
特に白帯・青帯のうちは、試合に出るたびに課題が見つかります。
この段階なら、年に数回〜月1ペースで出ることにも大きな意味があります。
負けた試合ほど、次の練習で何をすればいいかがはっきりします。
試合でしか分からないことを集めるのが目的なら、回数はそのまま財産になります。
2. 結果を狙いたい人は準備の質が大事
一方で、この大会で勝ちたいという目標があるなら、出場数を増やすほど、1大会あたりの準備期間は短くなります。
が続くと、新しい技を試す時間や弱点を直す時間が取りにくくなり、試合に出ているのに強くなっている気がしない、という状態に陥りがちです。
このタイプの人は、出場数を絞って、1大会ごとに準備→試合→振り返りのサイクルをしっかり回すほうが、結果につながりやすいはずです。
3. 楽しみたい人は続けられるかがすべて
大会は、遠征先の仲間との再会や、終わったあとのご飯も含めて楽しいイベントです。
ただ、楽しいはずの試合が義務になったら黄信号。柔術は継続がすべてです。
来年も再来年もマットに立ち続けられるペースこそが、あなたにとっての適正な試合数だと私は思います。
社会人のための年間スケジュールの組み方
目的が見えたら、次は具体的な組み方です。
仕事と両立する私たちが意識したいポイントを4つに絞って解説します。
1. ピーク大会を1〜2つ決める
すべての大会に全力で臨むのは、プロでも難しいことです。まずは今年いちばん勝ちたい大会を1〜2つ決めましょう。
それ以外の大会は、技を試す場、経験を積む場と位置づけると、気持ちもぐっと楽になります。ピーク大会から逆算して、その前の大会を予行演習にするのもおすすめです。
たとえばピーク大会の1〜2か月前に小さめの大会を入れておけば、試合の感覚を取り戻しつつ、課題を洗い出す時間も残せます。
逆に、ピーク大会の直前に別の大会を詰め込むのは、疲れや怪我を持ち込むリスクがあるので慎重に考えたいところです。
2. 試合のあとにリカバリー週を入れる
試合の翌週も、いつも通り練習に行っていませんか?
試合の緊張と全力の攻防は、思っている以上に体と心を消耗させます。
特にマスター世代になると、疲れが抜けるのに時間がかかります。
私も筋肉痛がなかなか治らないなんてこともよくあります…!
試合後の1週間は、スパーリングを控えめにして打ち込みやストレッチ中心にするなど、意識して回復の期間を作りましょう。
試合が続く時期ほど、睡眠時間の確保や、仕事の予定を詰め込みすぎない工夫も大切です。
回復はサボりではなく、次の試合に向けた準備の一部です!
怪我をしないことが、長く柔術を楽しむいちばんの近道です。
3. 遠征コストをお金・時間・体力で見積もる
地方や海外の大会は魅力的ですが、交通費や宿泊費、エントリー費に加えて、移動の時間と体力もかかります。
前泊が必要な大会は、実質的に週末がまるごと、場合によっては有休も必要です。
遠征は年に何回まで、と先に上限を決めておくと、お財布にも体にも無理のない計画になります。
近場の大会を中心にして、遠征はピーク大会か、行ってみたかった大会だけに絞る、というのも一つの考え方です。
4. 仕事と家族のカレンダーと重ねる
社会人柔術家にとって、いちばん大事なのはここかもしれません。
決算期や繁忙期、出張が多い時期、家族の行事。
大会の日程表と仕事のカレンダーを並べてみると、この月は試合どころじゃない、という時期が見えてきます。
忙しい時期の大会にエントリーして、練習不足のまま出て後悔する……というのは、できれば避けたいですよね。
シーズン終盤にやっておきたい見直し
11月は、今年の試合を振り返り、来年の計画を立てるのにちょうどいい時期です。年末の大会を控えている方も、一度立ち止まって見直してみましょう。
1. 今年出た大会を書き出してみる
大会名、階級、結果、そのときのコンディションを一覧にしてみると、意外な傾向が見えてきます。
連戦のあとは結果が出ていない、遠征の大会は体が重かった、など、自分に合うペースのヒントが詰まっています。
2. 体と心の残りHPを確認する
痛めている箇所はないか、試合のことを考えるとワクワクするか、それとも少し気が重いか。気が重いなら、それは休むサインかもしれません。
モチベーションには波があって当然です。無理に気持ちを上げようとするより、試合から少し離れて、純粋に練習を楽しむ期間を作るほうが、結果的に長く続けられることもあります。年末の大会をあえて見送るのも、立派な判断です。
3. 来年のピーク大会に印をつける
来年のマスター大会や地元の大会の日程を確認し、ピーク大会に印をつけておきましょう。年齢区分が上がる方は、新しいカテゴリーでのデビュー戦を目標にするのも楽しいですよ。
試合のペースは人それぞれ
年間の試合数に正解はありません。
大切なのは、次の3つです。
✔試合に出る目的(経験・結果・楽しさ)をはっきりさせる
✔ピーク大会を決め、回復週と遠征の上限を組み込む
✔家族や仕事のカレンダーと重ねて無理なく計画を
正直に告白すると、私は今年、仕事が忙しいということに甘えて、まだ公式戦には出ていません。
ただ、夏に通っているジムが主催する野良の大会で、グラップリングのワンマッチに出ました。
他のジムとの親善試合のような形でしたが、仲間に応援してもらいながら無事に一本勝ちできて、試合もいいな、とあらためて感じました。
いまは年末のノーギに出るかどうか、悩み中です。
公式戦ゼロでも、こうした小さな一歩があるだけで、来年のカレンダーの組み方はだいぶ変わります。
仕事と家族のカレンダーと重ね、無理のないペースを選ぶ 10大会出る人も、年に1大会の人も、マットに立ち続けている時点で私たちは仲間です。
さあ、今夜は手帳を開いて、来年の大会日程に印をつけてみませんか?
また試合会場でお会いしましょう!




