スパーリングにこだわりすぎないことが、上達への一番の近道だった話
こんにちは、私は試合よりも練習が大好き!これまで大きな怪我なく長期間離脱せずにダラダラと練習に通っているマスター柔術家・グラップラーもどきです。
比較的健康で小さい頃から大きな怪我をしたことがないのは自慢ではあるのですが、怪我しないために気をつけていることがいくつかあります。
今回は根本的で、誰もが一度はぶち当たるマットの上の生存戦略について書いてみようと思います。
そう、スパーリングにおける「怪我をしない・させない」ための心得です。
白帯のころや、組み技を始めたばかりの時期って、スパーリングがとにかく怖かったり、逆に興奮して力んでしまったりしませんか?
「せっかく形に入ったから絶対一本を取りたい!」「パスされそうだけど、絶対抑え込まれたくない!」
そう思って無理な体勢で粘った結果、自分の関節を痛めたり、相手にケガをさせてしまいそうになったり……
実は私自身も、過去に何度もヒヤッとした経験があります。
でも、ある時から考え方をガラリと変えました。
一本を取りにいって自滅するくらいなら、諦めて良い場所を維持するか、素直にタップしようと思えると格段にヒヤリハットが激減しました!
初心者のみなさんが安全に、そして息長く格闘技を楽しむための3つのスパーリング心得をまとめて紹介します。
心得1:一本は無理やり狙うものではない
スパーリングになると、どうしても「一本を取りたい!」という気持ちが先行してしまいがちです。
アームバーやバックチョークの形が見えた瞬間、焦って無理な角度から腕を引っぱったり、相手の身体ごと強引に捻ったりしていませんか?
これ、実は自分も相手も一番怪我をしやすいデンジャラスゾーンです。
無理な体制から放つサブミッションは、相手の関節を予期せぬ方向へ曲げてしまうリスクがあります。
また、力任せに奪いにいくことで自分が体勢を崩し、結果的に良いポジションを相手に明け渡してしまう自滅にもつながります。
強い先輩たちを見てみてください。
彼らは無理に一本を取りにいきません。
しっかり相手の上体を殺し、良いポジション(マウントやバックなど)を維持し続けます。そうやって相手の選択肢を奪っていった結果、最後にポロッと一本が落ちてくるのです。
一本を取ることに執着するのをやめて、良い場所(ポジション)をキープすることを第一目標にしてみましょう。
それだけで力みが抜け、怪我のリスクは劇的に下がります。
心得2:無理な粘りはダサい!早めのタップと降りる技術&マナー
下からのエスケープや、ガードを破られそうになったとき、意地でも取られたくない!と首や腕に変な力を入れて耐えていませんか?
この際なのでハッキリ言います!
スパーリングでの無理な粘りは、勇気ではなくただの危険行為です。
関節技はもちろんですが、絞め技やポジションの奪い合いでも、無理な姿勢で粘り続けると首や腰を痛めます。「あ、これアカンな」「体勢が崩れたな」と思ったら、以下の2つを徹底しましょう。
素直にタップする
関節が伸びきる前、絞めが入る一歩前にタップする習慣をつけましょう。
参りました」と言うのは恥ずかしいことではありません。
練習で一本取られたって人生は変わらないし、怪我した方が人生が変わる恐れがあります。
タップは次のスパーリングに進むためのリセットボタンです。
良いポジションへ逃げる
一本を取られそうになったら、無理に耐えるのではなく、相手の力をいなして安全なハーフガードやポジションまで戻る選択をしましょう。
お互いの練習のためにもこの紳士淑女な心得は大事です。
心得3:勝っている場所を維持するトレーニングだと思う
格闘技を始めたばかりのころは、「攻めか、守りか」「取るか、取られるか」の二極化で考えがちです。
でも、スパーリングの本当の楽しさはその中間にあります。
「いま、自分は相手より有利な場所にいるか?」 「相手にフレームを作られていないか?」
スパーリング中は、一本を取ることよりも安全で有利な場所をキープし続けることに意識を割いてみてください。
例えば、ハーフガードの上になったら、焦って足を抜きにいかずに、まずは相手の上体をしっかり潰して10秒キープしてみる。
相手が暴れたら、無理に力で押さえつけずにその動きに乗っかる。
この安全な場所の維持ができるようになると、スパーリング中の視野が急激に広くなります。
自分が冷静でいられるからこそ、相手の急な動きにも対応でき、お互いに安全な練習が成り立つようになります。
不都合な真実:上手な先輩たちは技を受けてくれている
ここで、初心者のみなさんに知っておいてほしい真実があります。
道場のスパーリングで、先輩をきれいにスイープ(上下入れ替え)できたり、パスガードが成功したりして、「よし、自分の技が決まった!」と嬉しくなった経験はありませんか?
実は先輩が上手に技を受けてくれたからかもしれません。
先輩たちが技を受けてくれるのは、スパーリングは試行錯誤してお互いに強くなる練習の場だと知っているからであり
変に耐えると怪我しかねないという知恵があるからです。
正解の形ができたからこそあえて受けて今の形で合ってるよ!と無言で教えてくれているのです。
「技がかかった!」と喜ぶと同時に「練習させてくれたんだな」と感謝し、仲間にも同じようにしてあげましょう。
おわりに:怪我をしない人が、一番強くなる
格闘技の道場で一番強くなるのは、運動神経が良い人でも、筋力が強い人でもありません。「怪我をせず、休まず練習を続けられた人」です。
- 一本の手前で焦らない(無理に奪いにいかない)
- 危ないと思ったらすぐタップする・ポジションを降りる
- 勝っている場所を静かに維持する
この3つを心に留めておくだけで、スパーリングは恐怖の場所から安全で最高の将棋盤(頭脳戦)へと変わります。
明日からのマット練習、ぜひ肩の力を抜いて、安全第一・思いやりの心を忘れずに楽しんできてくださいね!




