柔術のプライベートレッスン:なぜ受けるべきか?
柔術のスキルアップを目指す上で、グループレッスンは不可欠ですが、さらに一歩踏み込みたいならプライベートレッスン(プラレ)が非常に効果的です。多くの人は、プラレは高価でプロや上級者が受けるものだと思いがちですが、実は初心者からベテランまで、あらゆるレベルの柔術家にとって大きなメリットがあります。この記事では、プラレをおすすめする理由と、受ける際のポイントを解説します。
1. 完全にパーソナライズされた指導
グループレッスンでは、指導者は全体をカバーするため、個々の生徒のニーズに深く応えることは難しいのが現状です。しかし、プラレでは、指導者があなたの目標、体の特徴、弱点、そして改善したいテクニックに焦点を当ててくれます。
たとえば、パスガードが苦手なら、指導者はあなたの動きを細かく観察し、どこでバランスを崩しているのか、重心の位置は適切かなどを具体的に指摘してくれます。また、特定の試合での課題や、怪我からの復帰に向けた練習メニューなど、あなたの状況に合わせたメニューを組むことも可能です。これは、上達のスピードを飛躍的に向上させる最も効果的な方法の一つと言えます。
2. 質問とフィードバックの質が格段に向上
グループレッスン中、多くの人が「こんな基本的なことを聞いてもいいのかな?」と躊躇してしまいがちです。また、質問をしても十分な時間をもらえないこともあります。
プラレなら、誰にも気兼ねすることなく、どんな疑問でも時間をかけて聞くことができます。そして、指導者からリアルタイムで、あなたの動き一つ一つに対する詳細なフィードバックを直接もらえるため、なぜそのテクニックがうまくいかないのか、どうすれば改善できるのかが明確になります。疑問をその場で解消できるので、間違ったクセがつくのを防ぎ、効率的に技術を習得できます。
3. スケジュールの柔軟性
仕事や家庭の事情で、レギュラーのグループレッスンに参加するのが難しいという人もいるでしょう。プラレなら、指導者と直接調整して、あなたの都合の良い日時でレッスンを受けることが可能です。
また、短時間で特定の技術を集中して学びたいときにも最適です。例えば、試合前に特定の相手の得意な技への対策を練習したい、新しい技を短期間でマスターしたいなど、目的に応じて柔軟にスケジュールを組むことができます。
とはいえスケジュール都合でプラレにするのはだいぶ経済的に余裕がある方だけですよね。
プラレを受ける上での注意点
せっかくプラレを受けるなら、その効果を最大限に引き出したいですよね。以下の点に注意することで、より充実した時間を過ごすことができます。
1) 課題を明確にして臨む
「何か教えてください」という漠然とした依頼では、せっかくの時間を有効に使えません。具体的な質問や、改善したいポイントを事前に考えておきましょう。例えば、「パスガードが苦手なので、特定のシチュエーションでの回避方法を教えてほしい」「スパーリングでよくあるあの状況を打開したい」といった、より実践的な課題を設定するのもおすすめです。
2) 指導者との相性を考慮する
指導者選びも重要です。体格やファイトスタイルが自分と似ている選手に教えてもらうと、その技術を自分のものにしやすいというメリットがあります。また、「マスター世代はマスターに教えてもらうのが良い」という声もあるように、同じ世代の柔術家の特徴や悩みを理解してくれる指導者を選ぶのも一つの手です。
こんな使い方も!
技術指導が第一ですが、実は「複数人」や「推し活」としてプライベートレッスンを活用するのも面白いでしょう。
1) 2人でのプライベートレッスン
プライベートレッスンといえば1対1をイメージしがちですが、中には2人まで受け付けている指導者も多くいます。「1人だと少し恥ずかしい」という方や、「いつも練習している相手と、特定の場面での打開策を学びたい」という方におすすめです。一緒にレッスンを受けることで、その後の練習でも学んだ内容をドリルとして反復でき、技術の定着率が格段に上がります。
2) 推し活としての活用
憧れの選手から直接、いつも動画で見ている得意技を教えてもらうのは、特別な体験です。選手の言葉で技のポイントを解説してもらうことで、その後の試合観戦がさらに深く、楽しくなること間違いありません。ただし、技術習得が主目的であることを忘れず、相手に敬意を払い、話したい・触りたいといった目的での利用は避けましょう。
実際に受けてみて良かった!自信を持って薦められるプラレ
私も何名かのプラレを受けた経験があります。
そんな中でも心に残ったおすすめプラレを紹介します!
1) 今成正和さん
足関十段として名の知れたMMA選手でありグラップラー。
格ヲタの私としては激アツな大イベントでした。
全3回で習ったのですが、世界でも有名な今成ロールを御本人から習えるなんて夢にも思っていなかったので、最高でした。
海外でもセミナーをやるほど、何度も何人ものグラップラーに教え込んだメソッドとドリルは確立されたものだったので、すっと入ってきて無心で取り組めました。
もちろん今成ロールを受けることもでき、最初に入ってもらったときの感動は形容しがたいものでした。
プラレ時間にスパーリングもお願いしてみたのですが、ツイスターで全関節を極められたのもとても良い思い出です。

とっても優しい方で、最後にはもちろんあの有名な場所で2ショットも撮ってもらいました!

2) 米倉大貴さん
AIGAなどの海外のグラップリングの試合でも活躍中、自称冒険家の米倉選手。
ONEでBaby Sharkことジエゴ・レイスとチャンピオンシップなので注目選手ですよね。
ヒールフックのイメージが強いですが、トップもボトムも得意です。
どんな質問に対しても回答を持っていて、しっかり理由とセットで解決策を教えてもらえるので、具体的なシチュエーションのお悩みがある場合におすすめ。
テクニックの言語化を得意としている選手なので、メモを取ってテキストで残せるというのも彼のプラレの大きな利点です。
言葉で聞くと練習仲間にも伝えやすいので、私はよく彼の言葉を借りて技術を横流ししています。笑
スパーリングもお願いできるのですが、抑え込みの圧力がすごくて内臓がちぎれそうになるので、空腹状態で行くことをおすすめします。

3) 下前快喜さん
2025年5月にオープンしたMeWe Fight Sports Club目白の代表の下前さん。
出身のジムが一緒で、ジムでもクラスを持っていて、彼の指導力の高さを知っていたのでお願いしました。
彼は背が高くて手足が長いので(自分で言うのは恥ずかしいのですが)体型的に取り入れやすいのでいつも参考にしています。
友人とペアで参加し、ああだこうだ言いながら適宜できないことを潰してもらいました。
指導はもちろん、プラレ後のフォローアップも丁寧なのも特徴で、テクニックサマリー動画も共有してもらえるので復習も捗ります。

いい意味で前後のやりとりも仕事のような進め方をしてくれるので、デキるビジネスマンの方などはフィーリングが合うかもしれません。

まとめ|プラレは未来への投資
プラレは、単に技術を学ぶだけでなく、あなた自身の柔術への理解を深めるための「投資」です。上達への最短ルートを探している方、特定の課題を克服したい方、怪我なく長く柔術を続けたい方にとって、プラレは価値の高いものです。
まずは、あなたが参考にしている選手がプラレをやっているかを確認してもいいかもしれませんね。




