柔術は継続がすべて!怪我なく長く楽しむための鉄則

柔術は継続がすべて!怪我なく長く楽しむための鉄則

Akari

ブラジリアン柔術の魅力にハマり、マットの上で日々汗を流している皆さん。

「強くなりたい」「上手くなりたい」という気持ちは、柔術を続ける最高のモチベーションです。しかし、この素晴らしい格闘技を本当に長く、そして深く楽しむために、私たちが常に念頭に置くべき最優先事項があります。

それは、「怪我をしないこと」です。

柔術はコンタクトスポーツなので、残念ながら怪我のリスクはゼロではありません。一瞬の油断や無理が、数ヶ月の離脱につながってしまうこともあります。

このコラムでは、一時的な勝利よりも継続を選ぶための、具体的な予防策と心構えを「練習前・中・後」と「心と体の土台」の2つの視点から、お伝えしたいと思います。

 

練習中に体を守る「鉄則の行動」

怪我の多くは、スパーリング中の「無理」から生まれます。マットの上での行動は、自身の柔術ライフの寿命を決めると言っても過言ではありません。

 

1.【最重要】タップの勇気を持つ

柔術における最も効果的な怪我の予防策は、間違いなく早めのタップです。

痛みを感じる前にタップする

関節技や絞め技でまだ耐えられると思っても、極められるのは時間の問題だな〜、関節がモヤッとするな〜と感じたらすぐにタップしてください。一瞬の我慢が、靱帯損傷など数ヶ月単位の怪我に繋がるのが関節技の恐ろしさです。絞め技で落ちた場合もクセになるのでご注意ください。

タップは「負け」ではない

タップは試合の敗北を意味するかもしれませんが、練習においては自分を守るための最優先事項です。明日も練習するためにタップする、という上達のための賢明な選択だと捉えましょう。

また、技をかける側も、相手にタップする時間を与えるよう、コントロールを効かせてゆっくり仕掛けることが、柔術家としてのマナーです。

 

2. 力任せにしない技術重視の姿勢

力に頼った動きは、技術が未熟なうちは特に、自分自身の関節や筋肉に大きな負担をかけます。 

無駄な力を抜く

力が入ると体が硬直し、不自然な体勢になりがちです。「ムキになる」と自爆のような形で怪我をすることもあります。深呼吸をし、肩の力を抜いてリラックスしましょう。

テクニックこそが防御

正確なフォームと理にかなった動きは、怪我の予防だけでなく、相手の攻撃を無力化する最高の防御にもなります。インストラクターに相談し、反復練習で正しい技術を身につけることが、実は怪我をしない体作りにつながります。

Roger Gracieも柔術は力ではなく、テクニックが重要だと述べています。
てこの原理やタイミング、身体の仕組みを活用してより大きな相手を制する技術を習得しよう!と。
Jiu-Jitsu isn’t about strength, it’s about smart technique. Learn how to control bigger opponents using leverage, timing, and body mechanics.

力ではなく技術でスパーリングをしてくれる人は人間的にも素敵ですよね。また、彼らは怪我に対して意識が高い傾向にあるので、スパーリング相手を選ぶでしょう。そうなると、ムキになる人同士でやる羽目になり、怪我リスクのループにハマっていくような気がします。

 

3. スパーリングとの賢い付き合い方

スパーリングは柔術の醍醐味ですが、「いつ、誰と、どういう強度でやるか」を意識しましょう。

相手を選ぶ勇気

力任せなスパーをする人、相手の体のことを考えない荒い人との練習は、遠慮しても構いません。体格が違いすぎる場合にも、故意ではなくても負荷がかかってしまう場合があります。自分の体を守るためにも、信頼できる仲間と練習しましょう。

無理して耐えない

ポジションを取られそうなとき、無理な体勢で意地になって耐えようとすると、ひねりなどで怪我をしやすいものです。パスされてもいい・一本取られても死ぬわけではないという気持ちで、素直に技を受け、次のポジションから攻め直す方が、怪我のリスクが減り、技術も磨かれます。

 

 

練習を支える「土台作り」と「環境整備」

マットを降りた後の行動と、日々の心身の状態が、怪我をしないための土台となります。

 

1. 練習前後のケアをルーティンに

練習前後の準備と回復を怠らないことが、疲労の蓄積と怪我を防ぎます。

入念なウォームアップ

冷えた体でスパーリングは厳禁です。
特に組み技で酷使する肩、股関節、首周りは、可動域を広げるようにしっかりと温めましょう。
クラスも遅刻せずアップの時間からちゃんと参加するのも大切です。

クールダウンとアイシング

練習後のストレッチは筋肉の疲労回復を促進します。
また、練習後に少しでも違和感や炎症を感じたら、アイシング(冷却)を行うなど、怪我処置の基本を実践しましょう。

特定の部位の補強

違和感がある箇所や古傷がある部位などにはテーピングで事前に補強しておくことも有効な予防策です。

 

2. 柔術に適した体づくり

柔術は全身を使うスポーツです。怪我をしにくい、衝撃に強い体を作りましょう。

体幹・首の強化

関節周りの安定性を高める筋力トレーニング(特に首、体幹、股関節)は、怪我の予防に非常に効果的です。自重トレーニングでも十分効果があります。

受身の技術習得

立ち技の攻防で投げられたり、バランスを崩したりした際に、安全に受け身を取る技術は必須です。

自分の体を知る

ストレッチなどを通じて、自分の関節の可動域や硬い部分を理解しましょう。自分の体の限界を知ることで、タップのタイミングも明確になり、無理な動きを回避できます。

 

3. 栄養と休息の確保 

上達も怪我からの回復も、最終的には日々の生活に懸かっています。

質の高い睡眠

練習で傷ついた筋肉や神経を回復させるには、何よりも質の高い睡眠(目安7〜8時間)が不可欠です。
疲れや寝不足で反応が遅れてしまったときなどは、うっかり怪我をしてしまうことも多いですよね。時には練習を休んでゆっくり寝てみるのも長期的には有効です。

バランスの取れた食事

筋肉の修復を助けるタンパク質や、炎症を抑えるオメガ3など、バランスの取れた食事を心がけましょう。身体は食べたもので作られます。 

 

 

まとめ:柔術は「継続」が一番の強さ

柔術で本当に強くなる人、技術を深めていく人は、例外なく「長く続けられた人」です。

練習でポジションを取られたり、一本取られたりしても、命を落とすことはありません。しかし、大きな怪我をしてしまえば、数ヶ月、あるいはそれ以上の期間、柔術の練習ができなくなってしまいます。

怪我をしないこと=マナーです。

自分が怪我をすると、相手の練習パートナーも嫌な気持ちになります。
無理せず怪我をしないことは、仲間へのリスペクトであり、マット上でのマナーでもあるのです。

 
「無理をしない」「意地を張らない」というメンタルこそが、柔術家としての成熟を示すサインです。
怪我はしない、させない!

安全に練習し、焦らず一歩ずつ、この奥深い柔術ライフを長く楽しみましょう。その姿勢が、きっとあなたを本物の強さへと導いてくれるはずです。


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